公開: 2023年4月8日
更新: 2023年4月8日
効用理論は、イギリスの政治倫理学者ベンサムが、多数決原理の基礎として、「最大多数による最大幸福」を実現する方法として提唱した理論です。つまり、国民一人一人の効用の大きさを計り、その和を最大化させるためには、国民の多数が支持する案を採択すべきとする考え方です。この考え方の基礎にあるのが、ロックが提案した「効用」です。
効用は、その便益を受ける人々が感じる便益の価値を表現する値を言います。国富論を書いたアダム・スミスは、製品の価値を 論じるために、この『効用』を使いました。価格は市場での取引によって決まる、製品の金額的価値ですが、その価格は、製品の効用が基になって決まります。また、同じ製品も、製品が1個の場合と、製品が2個ある場合とでは、効用は変わります。
製品が2個の場合は、1個の場合の2倍の効用になるのではなく、1個当たりの効用は少し減ります。このように、効用は、同じ製品の量が増えると、少しずつ減る性質があります。これをアダム・スミスは、「限界効用には減ってゆく性質がある」と言いました。限界効用とは、製品が1つ増えた場合のことを言います。